賢者と似非科学
ホメオパシーやEM菌、がんの自然治癒などに代表される似非科学・似非医学。
そしてそれらを恥ずかしげもなく広めようとする人たち。
その言説の中には、こんなものを多く聞く。
「私には効いた」「誰々は効いたと言っている」
だからお前にも効くはずだ(とはっきり言わなくても言外に匂わす)というあのかんじ。
あれー?あれー?
なんか聞いたことある、こういうの、なんていうんだっけ。
そうだ。
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。
ドイツの政治家ビスマルクの格言だ(調べたよ)。
科学というものにおいて、自分の身の回りの経験に対するウェイトはものすごく軽いと私は思っている。
先人たちの遺した膨大なデータ、様々な条件下で行った幾度とない実験を紐解いて、道を拓いていくものだと思っている。
ある難しい手術を勧められたときに、主治医は私にこんなことを言った。
「あなたにこの選択肢があるのは、
今までたくさんの患者さんが難しい決断をし、データを積み重ねてきてくれたおかげです。」
科学に真摯に向かおうとするとき、
私は、自分をいかに小さなものとすることができるかが、大事なんでないかと思うのである。
いじょ。